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プランの振り返り

DVに関する「Q&A」


過去、高校や中学、大学でDVについて話をした時に出された質問に答えたものの一部です。

Q:デートDVは最近増えてきたのですか。最近なら、なぜ増えて、発生してしまったのですか。


A 昔からありますが、最近、DVやデートDVの情報が増えてきて、調査も始まったので、表に出てきている。だから増えているように見えるという側面があります。今後、暴力(DV)への感度が高まればもっと被害届数は増えるでしょう。それに加えて、性・恋愛体験の低年齢化、携帯電話などの普及によって束縛しやすくなったことなども原因で、デートDVが増えていると思います。


Q:なんで警察に相談していても、殺人までになってしまうDVの事件が起きてしまうのか。

A 警察は、DVについて正しく学んでいない警官が多く、安易に、夫婦喧嘩、恋人のもめごとと思ってちゃんと逮捕したり注意せずに、放置してしまうからです。最近、改善しようとしていますが、まだまだです。

 

Q:デートDVは私たちのような大学生には、やはり起こりやすいですか?


A 高校生でも大学生でも、恋愛関係にある人の中でかなり高い確率で起こっています。若い人は純粋で経験が少ないため、だまされやすいという面もあります。読んでいる漫画などによってデートDV的なことを愛情と間違って思っている面もあります。


Q:デートDVは治るのか。

A 早い段階で学んで、修正すればなおせる場合があります。若い人で、学べばすぐに態度を変える人はいます。また今後、加害者更生プログラムというものが増えていくといわれます。そこで加害者がまなぶことで変わっていけます。しかし、被害者はまず自分の安全を大事にすることが大事なので、相手が変わらないようであれば別れることが大事です。


Q:DVの加害者側が、自分に自信を持つためには、どうしたらよいのか。

A まず、加害行為をやめることです。そして自分でDVについて学んで、どうして自分がそういう行為をしてしまうのかを見つめることです。できれば加害者更生プログラムで学ぶことがいいです。並行して、人を支配しない関係の練習をしていくことです。自信を持つのは長期にわたって自分の生き方を見つめなおすことで、徐々に人を信頼することを学ぶ以外にありません。信じられる人を見つけましょう。



◆友だちが被害に遭ったら

Q:自分の友だちが今おっしゃったこととすべて同じDVにあっているのですが、その人たちのために私にできることはありますか。

A まず話を聞いてあげてください。「話を聞かせてくれる?」「心配なの。秘密は守るから話してみて」といって話を聞きましょう。

聴きながら、徐々にデートDVの知識も伝えていきましょう。

 「デートDVっていうのはこういうものみたい」「こんなパンフ(HP、本)あるよ」

「あなたの関係、少しデートDVっぽく見えるけど大丈夫?」

「デートDVってこんなことらしいけど、それに当てはまる事ない?」

「それはひどいなあ」「そりゃあかんのちゃう?」


そうして、できれば詳しい人の所に相談にいこうと誘ってください。嫌がるなら無理しないで、話を聞き続けてください。孤立しないように、毎週様子を聞くようにしてください。


もしきつくないようなDV関係なら、DV加害者に対して「携帯チェックはやめて」「すぐにメールに返事しなくてもいいようにしよう」「大声を出すのはやめて」「邪魔くさそうな態度をとるのはやめて」「私の事好きなら、私の思いを尊重して」「私を失いたくないなら、傷つけないで」

といった、希望、改善の一歩を言ってみることを提案しましょう。

そして相手が変わってくれたらいいですし、変わってくれないなら、また相談に乗り続けて、誰か第3者に相談しましょう。



Q:友だちの彼氏がデートDVっぽいなと思ったらどうすればよいですか。

Q:似たようなDV予備軍の彼氏を持つ友だちがいるので、気をつけていきたい。

Q:話を聞いて明らかに彼氏からDVを受けているのに、彼女本人がDVを受けていることに気づいていない(彼女はそれで幸せそう)場合、どうすればいいですか。


A この3つの質問は、上の質問の対応と同じく、まずは被害者に上の対応をしてください。相談すること、離れる(分かれる)こと、いやなことはいやと毅然と文句を言うことが大事です。


Q:友だちがデートDVを受けていたようですが、2人とも手を出していたようでした。一方通行だけでないDVもデートDVにあたるのでしょうか。

A はい、それも、片方が強いならDV です。同じくらいの攻撃力がある場合、双方がDV的といえます。その場合、双方とも、ちゃんとDVについて学ぶことが必要です。あなたは自分の友達に対して、上記のような相談の乗り方をして、非暴力的な話し合いをしてDVでない関係にしていくよう、アドバイスしてあげてください。暴力に暴力で対応するのはよくないです。暴力的な関係を変えることが大事です。 

お互い暴力をふるいあうのは、良いことではありません。軽いもので少しならただの「けんか」ですが、程度がひどいと、それはDV的と言えます。相互に相手にDVしていると言える場合があります。「身体暴力や大声」をつかわない話し合いをしましょう。相手がそういうことをしてきたら、それはDVだといってやめるようにいいましょう。やめないならそれは人権侵害で犯罪行為であるDVです。DVされたからといって同じ手段で反撃せず、暴力ではない形で対抗しましょう。DVをやめないDV加害者とは別れましょう


◆わがままと束縛

Q:わがままはどこからDVになると思いますか。

A 意見を言うのと、わがままとの境界線は、機械的には決められませんが、基本は、自分の希望を言うのは自由です。そしてそれを相手が受け入れるか、同意するかは相手次第です。相手が受け入れるように強制してはいけないわけです。強制したらDVです。「わがまま」というのは、自己中心的に自分の欲求を相手に押し付けることですから、ワガママな欲求を何らかの力を使って押しとおすならだめです。

 しかし、よくあるのは、「自分の意見を言う人〈弱者〉に、『それはワガママだ』といって強者の側が批判すること」です。つまり本当は言ってもいい単なるその人の自己主張〈正当な主張〉なのに、自己主張を「ワガママ」と言って抑圧することがあるのです。それは間違いです。ですから『わがまま』だといわれても、言うべきだと思う自分の意見は言ってください。そしてこれはワガママではないですと言ってください。正当な主張(アサーティブなもの)は、「わがまま」ではありません。強者が相手を言いなりにならせる主張はわがままで、DVです。


Q:束縛はいけないことですか。相手が浮気しているかもと不安になったらどうすればよいですか。

A 束縛は相手の成長や自由を制限するのでよくないです。相手を信じて、束縛せず、自由にさせるのが信頼感のある関係です。

過去、浮気されたという経験があれば不安になるし、相手の行動を知りたいし、携帯も見たくなりますよね。しかし、そういう監視もDVです。それは相手の自由な人間関係を邪魔するからです。だからと言っていわゆる浮気OKと言っているのではありません。お互いが信頼しあい、相手を傷つけないようにするのは当然です。相手を傷つけるのはDVの一つです。ですから、チェックしなくても相手のことを信頼できるような、そういう人と安心感のあるお付き合いをしましょう。逆に言えば、行動を監視されないと浮気をしちゃうような人って、問題アリです。警察に見つからないなら泥棒しちゃう人が問題であるように。


◆良い恋愛関係をつくるために

Q:いい恋愛をするにはどうしたらいいですか。

A: DVがない関係を学んでそれを実践することです。相手が今日、自分のことを好きと思ってくれるというのは奇跡のようにうれしいことです。そういう感謝の気持ちを持ってかかわることです。

同時に自分を大事にし、相手に寄りかからず自立することです。自立した魅力的な人が対等で素敵な恋愛をすることができます。


Q:思いを伝えることは簡単なことではない。相手にしっかりと自分の意思を伝えるには、どうすればいいですか。

A 自分の言葉を総動員して、心を込めて、ちゃんと話すことです。また相手の話も同じくらいたっぷり聞いて、反応することです。相手の話を深く聞き出すことです。また案外、存在の仕方全体で、ちゃんと伝わるものですよ。相手に、感受する能力があれば。だから自信を持って付き合えばいいです。

とにかく正直な自分を出しましょう。不安や考えていることや迷っていることなど本音を言うこと。相手に合わせてええかっこしてうそをつかないこと。ぶりっこしないこと。我慢して言いなりにならないこと。いい子ちゃん委ならないこと。従順なフリを不利をしないこと。DV被害を甘受しないこと。本当の自分をさらけ出して、それで自分の良さが伝わらなければ仕方ないです。


Q:彼女「夜道をひとりで歩くのは怖いなあ、女だし」

彼「女の子がひとりで夜道を歩くのは危険だ」                         ↓

彼「彼女のこと、好きで心配だから、迎えに行ったり、送ったりしたい」

彼女「彼のこと好きで、わざわざ迎えに来させたり、方向が違うのに送らせたりしたくない。だから断る」

彼女は、彼に迎えに来てもらえたり、送ってもらえるのは確かに助かるけど、そんな手間をかけさせたくない。どうしたら、いいんだろう?

A まず、夜道は気を付けて歩く、など工夫してください。いつも誰かに送ってもらうというのは不可能です。それは甘えた感覚です。男性におごってもらえて当然というのと同じく、女性の甘えた依存心です。しかし、仲が良くて彼も送りたいというなら、そしてあなたも送ってほしいならたまには甘えてもいいんじゃないでしょうか。

毎回当然のようにお送り迎えさせるというのは、傲慢です。またそんな愛情は形式的すぎます。むしろDv加害者は、束縛のために送り迎えをしたがります。ですからそこは見分けて、束縛が強い人とは距離を取ってください。

 対等な関係で助けあいましょう。ギブ&ギブの精神でかかわれば、結果、うまくいくと思います。


◆別れ

Q:被害者が加害者のことが本当に好きで、DVされていた場合、どちらもお互い好きでも別れるべきですか。

A 別れにくいでしょうが、Dv状態は絶対に良くないです。だって、成長が邪魔されているんですよ。それは異常なことです。恋愛感情に流されて、自分を大事にできていないのです。そんな状態に浸っているのはおかしなことです。でも好きなら別れるのは嫌でしょう。では、どうするか。Dvではない関係に変えていってください。その努力をしましょう。

「携帯チェックはやめて」「すぐにメールに返事しなくてもいいようにしよう」「大声を出すのはやめて」「邪魔くさそうな態度をとるのはやめて」「私の事好きなら、私の思いを尊重して」「私を失いたくないなら、傷つけないで」とちゃんと言ってください。あなたのことを好きなら彼(彼女)は変わるでしょう。変わらずにDVする人には「変わってくれないなら、別れる」といってください。そこで妥協して我慢すると加害者の思うつぼです。いい恋愛に変える努力をしてください。人に誇れる恋愛、双方が成長できる恋愛をしましょう。


Q:別れに同意はいらないと書いてありますが、これについては実際とても難しいと思います。この感覚を押し付けることにより、さらにストーカー的にさせてしまう要因にもなってしまうと思いますが…。

A 逆です。きっぱりと別れる(宣言する)ことで、相手はあきらめます。あいまいに言ってうまく相手が納得してくれるというのは希望的観測であって、実際は、執着心の強いDv加害者は別れてくれません。あいまいだと、相手は「まだ愛している」「迷っている」「強気で行けばよりを戻せる」と思って攻勢を仕掛けてきます。はっきりと「別れる、もう近づかないで」ということが必要です。

なお、DV やストーカー体質ではない普通の人とは、当然、普通の別れ話をしたらいいです。

大事なポイントは、別れ話をして、相手が同意してくれなくても別れる(別れられる/別れるべき)ということです。話し合って相手が同意してくれるなんてのは、DV加害者の場合、ありえないことです。その事実を知ってください。

ひどい人とは別れる、その時には先生も警察も大人も外部の人も使うということです。自分だけでなとかなるというのは間違いです。被害者がきつく言ったから相手がストーカー(DV)になるのではなく、加害者の間違った考えがストーカー(Dv)にさせるのです。


Q:別れるのがとても大変そうだと思いました。本当にきっぱり別れることができますか。

A 確かに、DV体質の人とは別れるのが大変です。だから外部の人に相談して、ちゃんとわかれないといけないのです。別れられないとあきらめてDV被害を受け続けると大変なことになります。別れることができるように努力しないと、自分を大事にできませんよ。



◆友人関係とDV

Q:友人関係のDVってあるのでしょうか。

Q:恋愛関係だけでなく、友人関係にも言えるのでしょうか?


上2つの質問への答え

A それは厳密にはDVとは言いませんが、本質は同じです。それは友人による支配、ハラスメント、いじめ、虐待、奴隷関係といいます。

そういう人とは離れてください。適度な距離をとることが大事です。シングル単位単覚で付き合いましょう。それができない人とは離れましょう。

Q: デートDVを行ってしまう心理状態についてもっと知りたい


A 加害行為をしてしまう人の発想には多様なものがあります。

たとえば、デートDVが何かを知らず、「恋人には・・してもらえて当然」という特権意識を持っていて、悪気なく恋人ならこういうことをしていいのだと思っている場合があります。

それから負けるのが嫌で、特に男性は自分が下に見られるのが恥ずかしくて、つい「自分は正しい」のだと相手に示したくなって、負けちゃだめだと思って勝とうとしてしまい、抑圧的になってしまう場合があります。

また、自分が腹立って怒るのですが、その原因は相手にあると思っていて、自分を被害者ととらえるということもよくあります。

また加害者の特徴なのですが、自分をよく見ていず、ジコチュウなので、相手に要求することと自分がしていることに二重基準があるとか、自分の言っていることとやっていることが矛盾していてもそれにむとんちゃくということがあり、それがDV となっています。自分に甘く人に厳しいのです。相手の感情を尊重せず、自分の言動にも目を向けず、自分の感情中心なのですね。

またDV してしまう人は、恋人を「自分の所有物」とおもっていて、その所有物を自分の思い通りにしてもよいとか、自分の持ち物を失うのが怖くて強く束縛するという発想があります。相手が離れてしまうのではないかという、根底に不安感があるので、束縛するしかないと思っている場合があります。

恋人となるということは「二人が一心同体となることだ」と思っていて、自分のことをすべてわかって当然だとおもいこんでいるという特徴もあります。たとえば、「何で、オレの気持ちをおまえはわかってくれないんだ!」と怒るのは、相手は自分の一部であり、一心同体で、自分の期待通りで当然と思っているからです。相手には相手独自の考え、自分と違う考えがあると思っていないのです。

所有意識があるとか一心同体意識があることで、「服装や、どこに行くか、誰と付き合うか、何時までに帰宅するかなどを決める権利が恋人である自分にはある。彼女はそれにしたがって当然」「女性に自由を与えてやったらその女性は俺に感謝すべきだ。」「恋人に服従してもらう権利、気遣ってもらう権利、性的欲求を満たしてもらう権利が自分にはある」と思い込んでしまう場合もあります。

いくらカップルでも、相手を自分とまったく別の対等な人間で、その自己決定を尊重しなくてはならないと思えるかどうかが、DVをするかしないかの分かれ目になります。


Q デートDVは何故なくならないのかと思った

A: 皆がDVのことを学び、相手を尊重する感覚を身につければデートDVはなくなります。しかし、今の社会では、そうした教育はほとんどなされておらず、大人たちの多くが暴力に鈍感で、マンガやテレビなどのメディアではデートDVになるような考えが当然のように流されているので、若い人もまたそれの影響を受けて、デートDVのような関係になりやすいのです。


Q: 今実際にどれくらいの割合でデートDVが起こっているのか?

調査によっていろいろですが、デートDVには程度がいろいろあるので、数字にはばらつきがあります。1割から5割ぐらいの割合でデートDVがあるという調査があります。

たとえば、デートDVを中心的・直接的に政府(内閣府)が調査した2007年のものでは、男性の53.1%、女性の44.6%が携帯電話に絡む被害を経験していました。恋人との間で「機嫌が急に悪くなったり、優しくなったりして、相手にいつも気を使わされる」(33.7%)、「行動を制限される」(21.7%)なども高い率でした。恋人との関係について、「暴力を受ける側にも悪いところがある」と考える人も10.1%いました。

鹿児島県の高校生対象のデートDV調査(2008年発表)では、女性の10.9%、男性の5.4%に被害体験がありました。被害体験がある人の中の割合でみると、個別項目では、メールの内容や交友関係を監視するなどの「干渉・束縛」が、女性74.0%、男性77.7%、殴る・けるなどの「身体的暴力」は女性31.3%、男性53.7%、大声で怒鳴ったり、言葉でばかにする「精神的暴力」は女性66%、男性57.4%、キスや性行為を迫るなどの「性的暴力」は女性28.7%、男性31.4%でした。


Q どこまでが友達で、どこからが浮気ですか?

A: 恋愛関係と友達関係の中間には、「恋人に近い友情」「「恋愛的に好き」の気持ちが強くある友情」「「恋愛的に好き」の気持ちが少しある友情」などがあります。

お茶に行く、映画、飲食、遊び、旅行などにいくといったいろいろな行動で、どこまで友人でもいいか、友人ではだめか、どこからが浮気か、人によってさまざまな感覚があります。

よく考えると、恋愛と友情は全くの別物というのではなく、連続的なものであり、考え方によってその境目はかなり移動するということです。言い換えれば、「これをしたから恋人」というようには機械的には決められないということです。恋愛関係にも、人と人の対等な関係の視点を導入すべきと思うので、恋愛は大きな意味での友情関係の、部分集合に過ぎないとみた方がいいのではないかと思っています。ですから私は、「恋愛のような友情を/友情のような恋愛を」ということをいいたいです。

つまり、固定的に二者に閉じた恋愛となることで、せっかくの他の豊かな友情関係を切り捨てるようなことはやめよう、といいたいと思います。

束縛・独占しないような、友情関係を多様に作ればいいのです。狭い恋愛関係で成長が阻害されるなんてもったいないです。関係を狭い恋愛だけにせず、多くの人と、豊かで多様な関係を持てばいいじゃないですか。それを恋人が制限すべきではありません。恋愛自体を、友人がたくさんいるような、恋人が元気になるような明るいものにしていければいいなと思います。

友情の一形態としての恋愛。友情と恋愛を切断せず、友情を大事にし、恋人を友人のように、友人を恋人のように大切に扱う。そういう関係が広がれば、DVは減り、対等で豊かな関係が増えるでしょう。

結論としては、相手を信頼していれば、だいじょうぶということです。まともな恋人なら、相手を傷つけるようなことを平気ではしないでしょう。


Q  軽いDVなら普通にあることだと思った

 A:軽いDVは確かによくみられるかもしれません。しかしそれを当たり前だと思っているとだんだん感覚がマヒし、束縛などがエスカレートしていき、恋人の自由が減っていき、ひどいDVになっていきます。

ある程度以上にならないように、双方がDVとは何かを知っておいて悪化しないようにしましょう。


Q パワハラについて聞きたかった

A: パワーハラスメントとは、一般的には、上司が部下に言葉や態度による暴力(抑圧、圧迫)を与えたり、出来もしない執拗な要求で精神的に苦痛をあたえることです。今はそれが学校とか先輩後輩関係とか家庭とか友人関係にも拡大して使われることがあります。つまり強い奴がエラそうに相手を圧迫することですね。いじめもセクハラも、パワハラの一つと言えます。

 具体的には、仕事で出来もしないノルマを設定していじめたり、軽い失敗を利用して執拗に怒ったり、就業後に強引に飲み会に誘うとか、嫌がることを強制することなどです。相手の仕事を必要以上に批判する、絶えず新しい仕事をさせる、普通だったらまかせる仕事を他の人にさせる、仲間はずれにする、標的の社員と話すことを他の社員達に禁じる、悪いウワサを流す、精神的に問題があるようなことを言う、目の前でバタンとドアを閉めるなど、敵意ある言動などのことです。明確な証拠を得ることが難しく、被害者には辛い状況と言えます。

パワハラは、放置すれば相手の意欲を低下させ、学校や職場をやめないといけなくなります。また、うつ病などの精神疾患、最悪の場合は自殺につながります。

職場や学校や家庭のいじめ・嫌がらせ・虐待を減らしていくことが大事ですね。そのためにもまずはデートDVを学びましょう。人に偉そうにしない! イジメなんてもってのほか。精神的・身体的苦痛を相手に与えるのはやめましょう。


なお今企業や学校では、パワーハラスメントを予防することが責務とされています。

組織のトップが、パワーハラスメントをなくすべきであることを明確に示すこと、就業規則にパワハラの関係規定を設けること、予防・解決についての会社や学校の方針やガイドラインを作成すること、パワハラ実態を把握すること、アンケートを実施すること、パワハラ予防研修を実施すること、パワハラについての組織の方針や取組について周知・啓発を実施すること、企業・学校内・外に相談や解決の場を設置すること、現場の対応責任者を決めること、外部専門家と連携すること、パワハラ行為者に対する再発防止研修を行うこと、等が今後企業や学校には求められるとされています。

皆さんは、いじめやパワハラ、セクハラ、嫌がらせなどがあれば、ぜひ信頼できる人に相談してくださいね。

Q★もし相手が病んでいて、別れたら死んだると脅されたうえで、別れ際本当にしんだらどうするんですか?

A:そういうことを言われたら動揺しますよね。しかし、そういうことを言う状態自体が病的なので、親や先生、医者などに相談して、そういう大人から相手に話をしてもらうようにしましょう。自分一人で対応しないようにしましょう。

口では「死んでやる」といっても多くの場合は実際には死にません。だから動揺して何でも言うことを聞くのではなく、大人に相談してください。

そしてめったにありませんが、もし、本当に自殺されたとしたらショックでしょうが、それはあなたのせいではありません。そういっても気になるでしょうが、自殺すること自体が病気の結果であって、あなたが別れたせいではありません。

非常に少ないケースが起きたらということで振り回されるのではなく、原則として、「相手の脅しには屈する必要はない」ということを覚えておいて、適切な対応をとってください。

大事なのはそういうことを言われたら大人に相談することです。また自分からは絶対に「いうこと聞かないなら死んでやる」というような脅しを言わないことです。


Q★僕はドルオタ(アイドルおたく)なんでカースト最下位ですか。

A:いいえ、私が言いたいのは、そういうカーストが間違っているということです。だから人がどう思うか気にしないで、自分の好きなことをしてください。そういう序列(カースト)を基準に、どっちが上だと気にしたり、あいつは下だとか言っていじめたりばかにしたりしないようにしましょう。


Q★もし、目の前で浮気や、一生の傷になるようなひどいことをされても、泣き寝入りするしかないんですか


A:目の前で浮気とかひどいことをされたら忘れられない傷が心に残りますよね。そういう場合、少しは、自分のつらい気持ちを相手に伝えてもいいと思います。それを「私」を守護にして、「私は・・と感じている、傷ついている、怒っている、悲しい』など伝えるのはいいです。

でも、過剰に攻撃して、暴力をふるってはダメです。何かを口実に暴力を肯定する人は、間違った選択をしています。DV加害者になるひとは、たいてい、自分のほうが被害者だとか、「言い訳、屁理屈」を言って、相手に暴力をふるっています。相手が悪いからと言って暴力(暴言や身体暴力)を選ぶのが間違いで、暴力ではない対応をとるべきです。相手がひどい人なら、そういう「ダメな人」だったんだと思って離れましょう。相手から離れるというのが、一番有効な対応策です。

「ダメな人」にかかわって無駄なエネルギーを使わないようにしましょう、ひどい相手と同じ「低いレベル」「暴力のレベル」におりてはダメです。「浮気には浮気で反撃する」なんてのは、まったく間違った対応です。ちゃんとした人間になりましょう。どんな人間と付き合うかで、あなたのレベルも変わってきます。ぜひ暴力という選択肢を選ばない人とかかわってください。


Q★私の恋愛が全否定されていると思った。

A:短い時間でうまく伝えられなかったかもしれませんが、あなたを全否定したかったのではなく、あなたが暴力をふるったり、ふるわれたりしないようにと願ってお話ししました。

もしあなたが、私の話で自分が否定されていると思ったら、そこがどういうところかよく見つめてください。自分の暴力的なところ、DV的なところなら、それは素直に認めて、変えていってください。人は変われるので、あなたが非暴力の人に変わるなら、私は尊敬します。変わらずに暴力を使い続けるなら軽蔑します。そして暴力をやめられないなら恋愛や結婚はしないでください。

次に、あなたが暴力的でないのに、「伊田の話で否定されている」と感じたなら、どういうところで否定されたと感じたか、先生や友達と話してみてください。DV的でない人を批判したつもりはないですが、言葉が足りなかったらごめんなさい。

あなたが被害者にも加害者にもならないようにとおもってはなしているので、そこを理解していただけたらと思います。私に追加の質問があれば先生に言って、また伊田のほうに聞いてみてください。


Q★1人でいいと思った。

A:一人でもいいですし、恋愛しなくても、いいです。でも、恋愛や人間づきあいを恐れる必要はないし、他人とかかわると楽しかったり学べることもあります。言いたかったことは「恋愛しないといけないことはないよ」「恋愛してもいいし、するときにはDVにならないように気をつけようね」ということです。


Q★時々ケンカすることも大事だというのに、キレてはダメだというのがよく分からなかった。

A:軽い意見の違いはあってもいいけど、キレるというほどの怒りを出すのはダメだといっているのです。暴言や相手の自由を制限することや傷つける言葉とか身体暴力がだめだということはわかりますよね。そういう意味で「キレるのは」ダメです。でも、人と人がいれば少しくらい、腹が立ったり、傷ついたりします。そういうときには、攻撃的な言葉ではなく、冷静に、「今の言葉で傷ついた」とか「自分のいいたいことを歪んで取られて悲しい」というように伝えて、ちゃんとコミュニケーションをとりましょうと言っているのです。


 Q★言わなければいけないことをイチイチ相談しろというのがよく分からなかった。

A;感想の意味がよくわからないのですが、何か引っかかっているんですね。「言わなければいけないこと」とは何でしょうか。相手に言わなければいけないことがあって、それを恋人に言いたいのに、デートDVの学習では「なんでも相談しろ」といわれたと思ったということでしょうか。

私の話のどこでそう思われたかわからないのですが、私の説明がまずかったんだろうと思います。

再度いいたかったことを簡単に伝えるなら、相手との関係で、なんか嫌なことがあったら、言えるなら相手に「それは嫌だ」といってもいいです。でも、相手には相手の言い分があるので、力で押し付けたり怒ってはダメです。

「相手との関係でDV的かなと思ったけれど、怖いから相手に言えない」なら、あるいは「DVかどうか迷うのでどうしたらいいかわからない」というなら、友達や先生などに相談したらいいですよとも伝えました。

以上の説明でわからないこととか疑問があればまた聴いてください。

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Q&A: ようこそ!
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